ほくろ
ほくろは良性腫瘍の一種で、メラニン色素を作るメラニン細胞が変化して母斑細胞となり、それが増殖したものです。ほくろにはいろんな種類があり、いぼのように盛り上がったものと、平らなものがあります。また、頭や唇にできるものもあります。
基本的には良性腫瘍ですが、中には悪性腫瘍のものもあります。良性か悪性か正確な診断を受けるようにしましょう。
ほくろの除去を希望される場合、医師がほくろの性状を診断し、適切な治療法をご提示いたします。
ほくろが急に大きくなった?
ほくろは母斑細胞母斑というほとんどが良性腫瘍のものです。しかし、急に大きくなったり、色も変化したりするものがあり、これはメラニン色素細胞ががん化した悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があります。
当院ではダーモスコピー検査で良性か悪性かを診断します。ダーモスコピー検査ではほくろに光を当て、ダーモスコープ(10倍拡大鏡)でほくろの深部まで観察し診断します。悪性の場合、早期発見・早期治療が重要で、除去治療も急ぐ必要があります。気になる場合は、お早めに当院までご相談ください。
ほくろの治療
外科手術
以下の場合は外科手術の適用となります。
- ほくろが大きい
- 悪性の可能性がある
- 完全に除去したい
など
外科手術は局所麻酔下で行い、痛みを極力感じないようにします。手術後、ガーゼを患部に貼り、翌日の来院時に外します。術後の状態に問題ないようでしたら7日後に抜糸を行います。手術痕は1年程で目立たなくなります。
なお、必要に応じて連携医療機関をご紹介いたします。
CO2レーザー治療
ほくろに対し、大きさや状態に応じた回数のレーザーを照射します。この際、痛みに弱い方は麻酔テープを使用することも可能です。痛みに弱い患者様はお気軽にご相談ください。
いぼ
いぼができる原因
いぼにはたくさんの種類があります。しかし、潜伏期間が数か月ということもあるため、感染原因や経路を明確にするのは難しい感染症です。主な原因はヒトパピローマウイルス感染で、人から人への直接感染(ヒト-ヒト感染)の他、プールや温泉に設置された足拭きマットからの間接感染もあります。また、伝染性軟属腫ウイルスが原因の「水いぼ」、皮膚の老化が原因の「老人性いぼ」などもあります。
ウイルス
ヒトパピローマウイルス(HPV)
ヒトパピローマウイルスはいぼの主な原因になるウイルスです。また、性感染症を引き起こすウイルスでもあり、女性は子宮頸がん、男性は尖圭コンジローマ発症の原因となります。
伝染性軟属腫ウイルス
伝染性軟属腫ウイルスは水いぼの原因になるウイルスです。伝染性軟属腫ウイルスが皮膚内に侵入し、細胞内でウイルスが増殖して発症します。水いぼはヒト-ヒト感染もするため、家庭内でタオルや衣類を共用すると感染する可能性があります。
紫外線や摩擦・加齢
紫外線や摩擦などの外的刺激もいぼの原因になります。また、加齢に伴っていぼが出来ることもあり、これを老人性いぼ(老人性疣贅)と言います。
いぼの種類と見分け方
ウイルス性いぼ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
ウイルス性疣贅とも呼ばれ、よくあるいぼです。手の平や足裏にでき、白っぽく盛り上がっていることが多いです。表面がザラザラしています。
青年扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
ヒトパピローマウイルスが原因で、額や手の甲にでき、平らないぼです。
尖圭コンジローマ
ヒトパピローマウイルスが原因の性感染症です。
亀頭や肛門周辺、外陰部にでき、ブロッコリーに似た盛り上がりや乳頭状で先端が尖った性状のいぼです。
ミルメシア
ヒトパピローマウイルスが原因で手の平や足裏にでき、中心が窪んだドーム状のいぼです。ウオノメとよく似ていて間違われることもあります。
水いぼ(伝染性軟属腫)
伝染性軟属腫ウイルスが原因でつぶつぶしています。子供がかかりやすく、かゆみやピリピリとした痛みがあるので、掻きむしってしまうことがあります。搔きむしることで飛び火したように広がってしまいます。
紫外線や加齢によるいぼ
老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)
加齢や紫外線などが原因で顔面や頭皮、首などにでき、茶色や褐色の盛り上がったいぼです。
中高年から高齢者がかかりやすいです。
軟性線維腫(スキンタッグ・首いぼ)
加齢や紫外線、摩擦などが原因で、中年いぼや首いぼともいいます。中高年、高齢者がかかりやすいです。
アクロコルドン(首いぼ・脇いぼ・胸いぼ)
軟性線維腫と同様、摩擦が原因でできます。30歳以上の方がかかりやすいです。
いぼの治療方法
冷凍凝固法
いぼに-196℃の液体窒素をかけて冷凍・破壊します。一般的な治療法ですが1〜2週間おきに複数回の治療が必要です。治療後に水ぶくれができたり、赤くなったりしますが、時間の経過とともにかさぶたになり、その後きれいになります。
CO2レーザー
局所麻酔下でレーザーを照射し、いぼを蒸発・蒸散させます。ウイルス性いぼや老人性いぼに適した治療法で、切除治療よりも出血が少なく、傷跡も目立ちません。
ピンセットによる除去
麻酔テープを貼った後、ピンセットでいぼを取り除きます。麻酔テープにより、治療中も治療後も痛みはそれほど感じません。
スピール膏(サリチル酸絆創膏)
スピール膏というテープという名前のテープで角質を柔らかくして取る治療法です。足裏に出来たウイルス性いぼは皮膚が厚いので、この治療法が有効です。
ビタミンD3外用薬
皮膚の代謝サイクルを正常化する作用を持つビタミンD3外用薬を用いて、皮膚を柔らかくしていぼを取る治療法です。
イミキモドクリーム外用薬
主に尖圭コンジローマの治療として有効です。抗ウイルス外用薬のイミキモド(ベセルナクリーム)をいぼに塗る治療法です。
ヨクイニン(漢方薬)
ハト麦から作られる漢方薬のヨクイニンはいぼに効く免疫を高める作用を持っていることからいぼの治療によく用いられます。